255階のデマ




とにもかくにも、「255階」に関しては、数多くのデマや噂が流れていた。

私にとって、「3大デマ」と称する内容を、以下に紹介します。



その1 K氏




同級生の友人で、K氏がいた。

彼は、熱狂的なゲーム好きで、時々、学校をさぼって家でゲームに熱中していた。
現代のニートの姿を、80年代から先取りしていたような男で、ゲームで分からないことがあれば K氏に聞けば分かるという感じだった。
学校の成績は非常に悪く、学年では最下位を争うのが常であった。

K氏も、「255階」に夢中になった男だった。彼は、「255階」について、こう語っていた。

  1. 隠れたボスがいて、そいつを倒すと別のモードが出現する。
  2. 「255階」にいるイシターが、ローパーのように変身して、ギルに襲い掛かる。
  3. 全く別の形をしたナイトが存在する。
  4. 足の素早いローパーが存在する。
  5. 剣を持っていない、ブラウンナイトが存在する。

彼を立ち合わせ、検証したものの、彼が主張するようなゲーム展開が得られないのにも関わらず、
「本当だ、本当にあるんだ」という、一点張りの主張を繰り返していた。


その2 N氏




学校が違う塾の友人で、N氏がいた。

彼は、成績優秀な努力型の秀才で、とにかく成績が抜群に良かった。
彼もゲーム好きな男だったが、遊びと勉強の両立が上手く、成績が下がることは全く無かった。
だが、秀才型にありがちなスポーツが不得意という方程式は、彼にも当てはまった。得手不得手は誰にでもあるものだ。

N氏も、「255階」に夢中になった男だった。彼は、「255階」について、こう語っていた。

  1. 隠された宝物が「255階」の各フロアにはあり、その効果は多岐に渡る。
  2. 星の形をした宝物があり、取得するとギルが無敵になる。
  3. 「FLOOR P5」をクリアすると、3番目の隠された、「真のエンディング」を見ることができる。

彼の主張する内容は、どれも真実のように感じた。成績が良かったので、話の仕方がとても上手く、
どの内容も本当の話に聞こえた。教わる度に、聞いていた内容が少しずつ変化していったことに
一抹の不安と疑念を抱き始め、追及するものの、「全て本当である」という主張を繰り返していた。


その3 某雑誌




某雑誌に、「FLOOR P5」の最上階にいるとされているキャラクターの画像が掲載されていた。

  1. 不可解な形をしたクリスタルロッドが、迷路内にある。
  2. 色の異なるイシターが座っており、カイと思われる石がある。
  3. 形の異なるオレンジナイトがいる。
  4. 形の異なるパープルナイトがいる。
  5. カギと扉がフロアには存在せず、真実の最上階と紹介。

この記事がきっかけで、友人の間でも話題となり、この雑誌の購入者が続出。

記事の内容を頑なに信じて、プレイを続行しましたが、結果的に、
「そのようなキャラクターの存在は確認できませんでした」。



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